木造住宅一筋のにしむら工務店の西村社長は、大工から叩き上げた確かな知識と技術の持ち主。常に新しい時代の流れに柔軟で、人とのご縁に真っすぐ誠実な人柄。中村木材とはなんと30年近いお付き合い。「木にこだわり、常に選ばれる工務店」の秘密と中村木材との関わりについてお話しいただきました。
社長:人間も材木も天然がいいですよね。
社長:そうですね、とにかく木を触ったことがないとわからないでしょうね。
中村:工務店さんも、木へのこだわりがなくなってきたのかもしれないですね。
社長:でも最近、純木造でできた土壁のモデルルームを見にくる人が増えていると聞きました。いい傾向ですね。
中村:今の若い人たちがどこまでコストをかけて土壁を必要とするのかがポイントですね。
社長:でも木と天然素材で建てた木造住宅が、この先10年ぐらいで来るという噂ですよ。建築業界では今、そういう流れになってきているみたいですね
木造で家を建てるということは、旬の果物を食べるのと同じことです。冬は寒いけど、寒ければ服を着ればいいし、昔は炊き込みをして暖をとりました。それが自然なことだと思いますね。吉田兼好も、住宅は自然に合わせて作るのがいいということを、あの時代から言っていましたから。 もちろん欠点もありますが、昔のものでもいいところはたくさんありますよ。
面白い話があって、25年ぐらい前に、大きな一角を分譲地にした場所がありました。そこにいわゆるハウスメーカーの住宅と、木造住宅の両方を建てたそうなんです。そして建て替えの時期になった時、ハウスメーカーで建てた人のほとんどが木造住宅に建て替えて、木造住宅で建てた6割の人もまた木造で建てたらしいんですよ。
社長:人は欠点ならどれだけでも目につくし、見つけますよね。
中村:そうですね。不満が出てくるのは、家を建てて1ヶ月もかからないかも。
社長:だから家を建てたいお客様には、まずは今の家の不満を全部言ってもらっています。そうすると、どれだけでも出てくるんですよ。いいところよりもたくさん出てきますね。
社長:それは最初にちゃんと丁寧に説明しています。「本物だから傷がつきますし、本物だから色が変化する。それに本物だからカタチが狂います。それでもいいなら木を使いましょう」と言っています。そして「それ以上に本物の良さはあります」と伝えています。
社長:今日も、お客様とショールームに行くんですよ。カタログも見てもらいますけど、それはあくまでも写真の色ですよね。ちゃんと一緒にショールームに行って、触って納得してもらうんです。そうすると、出来上がった時に「違った」ということはないですからね。「違った」と仰った時は「それは照明のせいです」と言って照明を提案します(笑)。カタログだけ見せていたら「カタログでしか見せてもらえなかった」と言われてしまいますからね。
社長:「口が悪いけど、ちゃんとやってくれるよ」と言って紹介してもらっています。(笑) この間、お付き合いのあるお客様が建て替えを検討されていて、身内に建築会社がいると聞いたので、もちろんそこで建てて、アドバイスならできますからと伝えたんです。実際、にしむら工務店の方が見積もりが高いのもありましたし。でも最後にそのお施主さんはうちを選んでくれました。びっくりしましたけど、嬉しかったですね。お施主さんとの本当のお付き合いは、家が完成してから始まると思っていますからね。
社長:跡継ぎと弟子を育てることですね。ハウスメーカーの下請けをするのか、木造をやるのかは弟子の考え方次第ですけど、次の世代に向けて人を育てることが大事ですね。
社長:そうですね。その親方は今65、6歳ぐらいですけど、まだ現役でやっていますからね。腕がいいですよ。かっこいい言い方をすれば技術や知識の伝承ですよね。昔はわからないとこがあれば、1、2日使って親方と実験しながら作っていました。でも今はとにかくスピードを求められますからね。
逆に現場では、協力会社の若い子と「こうやったらできないか」と納まりのやり方であれこれ話していると、ふと新しい切り口が見つかったりします。「じゃあこれからはそれでいこう!」となって、うちのオリジナルのやり方が増えるんですよ。
社長:技術も知識もそうですけど、大切なのは発想の転換です。そのために普段から心がけておく。難しい読書をしなくったって、マンガの本でもいいんです。ページの1行からでも何か得られるものがあるはずです。
協力会社さんたちにうちの仕事を通して成長して欲しいですし、逆に教えられることも多いです。教えられることの方が多いかもしれませんね。だって向こうはその道のプロですから。
もちろん、現場でうるさいこともたくさん言いますよ。でも言った事は次の現場でちゃんと気をつけるようになります。そうでないと人は育たないですからね。
だからうちの協力会社さんたちは、みんな仕事が広がっています。いい仕事する人ばっかりですからね。同業者に紹介するとすごく喜ばれて、また新たな仕事に繋がっているんです。
社長:彼はもうほとんど自分で現場を仕切っています。わからないことは電話で聞いてもらって、現場は任せていますね。教えながら育てるということは、我々の業界ではできないので、失敗してもいいんです。失敗したらお金がかかるけど、人間失敗しないとわからない。それで覚えたら、次に同じ場面がきた時に絶対に失敗しないですよね。そうすると物事が早く覚えられます。
社長: 毎年150臼(うす)つくんですよ。餅米で360キロ、のし餅だと160枚です!お施主さんの娘さんからお孫さんまで来てくださるから、すごい量なんですよ。お施主さんにつき方を教えたりもしていますよ。何よりお子さんが喜んでくれるから嬉しいですね。
社長:もちろんそのためもありますけど、餅つきはボランティアというか、本当に感謝の気持ちでやっていますね。実はお施主さんに顔を出すのは、餅つきだけじゃないんです。不定期でも、中村木材さんで作っている「ナカモクニュース」やうちわを持ってお施主さんのところをまわって、顔を繋げていますよ。
社長:それは協力会社さんのおかげですね。一人ではできないですから。中村木材さんにも色々と手伝ってもらっていますね。
中村:社長は「対効果」ばかりを考えていないですよね。
社長:そう、顔を見せているだけで仕事をもらえるわけじゃありません。でも続けることが大事ですね。そういえば餅つきは中村木材さんのアイデアでしたよね?
中村:確かに言いました。でも、まさか150臼つくまでになるとは(笑)
年始にカレンダーの配布、6月に※GOGOフェスタの展示会とホテルバイキングがあって、冬のイベントがないということで餅つきがはじまったんですね。年末に餅つきをすることにしたのは、年明けに挨拶周りに行けるからなんですよね。
社長:お施主さんを長く獲得していくために、中村木材さんが提案してくれたことですね。
中村:年明けの挨拶で一緒に持っていくカレンダーは、6月までのものにしてあるんです。6月にあるGOGOフェスタの展示会で、残りの12月までのカレンダーを渡すというわけです。
社長:もちろんそうですね。
にしむら工務店
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