2. 地球温暖化についてのお話し

地球温暖化はもはや世界的な問題となっています。わたしたち一人ひとりが身近なエコを心がけるのも大切ですが、木を効果的に利用することにより、二酸化炭素の削減ができることもあるのです。

地球温暖化の仕組みを知ろう

地球は太陽からのエネルギーで暖められます。暖められた地球からも熱が放出されていますが、二酸化炭素などの温室効果ガスがこの熱を吸収し、再び地表に戻しています。地球上では、このような熱の収支バランスによって人類が生きるのに適した環境が保たれています。しかし、近年、人類の産業活動が活発になるにつれ、温室効果ガス、特に二酸化炭素の排出量が急増したため、大気中の二酸化炭素濃度は増え続けています。
その結果、20世紀の100年間の間に、地球の平均気温は0.6℃上がりました。また、1990年代の10年間は、過去1000年間で最も温暖な10年となりました。さらに今後、21世紀の100年間で1.4〜5.8℃も上昇すると予想されています。

温室効果ガスが増えると熱が地球の外に逃げにくくなり温暖化がすすみます。

地球温暖化の影響

1.海面水位の上昇

地球温暖化がこのまま進むと、21世紀末までには15〜95cmの海面上昇が予測され、海抜の低い地域や一部の国が水没する恐れもあります。仮に水位が1m上昇したとすると、日本では全国の砂浜のうち約90%が消失してしまうほか、海抜0m以下の土地が現在の2.7倍の2.339kuに広がり、影響を受ける人口は約2倍の410万人、資産も約2倍の109兆円に増加すると見られています。


2.異常気象の増加

雨の降る場所が変わり、雨の降り方も多い場所と少ない場所の差が極端になると予想され、日本を含む一部の地域では台風が増える可能性もあります。そのため、洪水、干ばつ、熱波などの異常高温が世界各地で頻発し、砂漠化も進行すると考えられています。


3.水資源への被害

温暖化の影響は水資源にも及びます。 アメリカの穀倉地帯やヨーロッパ、アフリカなどで水資源は大きく減少することが予想されています。雨が多くなり河川流量が増える地域もありますが、例えば東南アジアなどはもともと雨の多い地域であり、逆に洪水が起こることが懸念され、水資源が増えるとは言えません。

4.自然環境への影響

気温の上昇によって、地球上の森林の1/3で植物の構成が変わり、それに伴い、動植物全てを含めた生態系全体が変化するといわれています。中には気温の上昇スピードに対応しきれず、種が絶滅したり、生態系が破壊されたりする可能性があります。

5.その他

気候の変化に加えて、病害虫の増加で穀物生産が大幅に減少し、世界的に深刻な食糧難を招く恐れがあります。 マラリアなどの熱帯性の伝染病の発生範囲が広がります。


地球温暖化防止に貢献する森林

地球温暖化の防止には、温室効果ガス、中でも温暖化への影響が最も大きいとされる二酸化炭素の濃度を増加させないことが重要です。地球上の二酸化炭素循環の中では、森林が吸収源として大きな役割を果たしています。
森林を構成している一本一本の樹木は、大気中の二酸化炭素を吸収して光合成を行い、炭素を有機物として幹や枝などに蓄え成長します。
例えば、適切に手入れされている80年生のスギ人工林は1ha当たり約170t程度の炭素を蓄えていると推定されます。

スギの吸収量と身近な二酸化炭素排出量とを比較してみましょう。
人間1人が1年間に呼吸により排出する二酸化炭素の量(約320s)は、80年生のスギ約23本の年間吸収量と同じくらいです。
自家用乗用車1台から1年間に排出される二酸化炭素の量(約2,300s)は、80年生のスギ人工林約0.3ha(スギ約160本)の年間吸収量と同じくらいです。
また、1世帯から1年間に排出される二酸化炭素の量(約6,500s)は、80年生のスギ人工林約0.8ha(スギ約460本)の年間吸収量と同じくらいです。

人間1人が呼吸により排出する二酸化炭素は年間約320s

木造住宅は都会の森林

1.炭酸ガスの固定化

木造住宅を建てることは、大量の木材の使用につながり、木の家に住むということは森林伐採につながって森の破壊をしてしまうことになると考えられますが、木の家を建てることは森林を守ることにつながり、地球環境にも貢献できます。木や植物は葉から炭酸ガスを吸い、根からは水分を吸って、太陽エネルギーによって体を成長させています。大気中の炭酸ガスは光合成によって樹木に取り込まれ、炭素として固定されます。これは「炭酸ガスの固定化」と言われる働きで、木材は大気中の炭酸ガスを炭素化合物として固定化したものと言えます。
そして、切り倒されて材木になってからも、生きているときに固定化した炭酸ガスはそのまま固定しています。燃やしたり腐らせたりしない限り、木造住宅に使われている木は炭酸ガスを固定し続けるのです。

2.木造住宅は都会の森林

アルミニウムや鉄などの材料は、製造時に大量の炭素を放出するだけでなく、できあがった製品の中に炭素をまったく含んでいません。それに対し、木材は、製造時の炭素放出量が少ないばかりでなく、木材として利用されている期間、すなわち、燃えたり腐ったりするまでの間は固定された炭素を保管し続けてます。木造住宅や木材製品は炭素貯蔵庫としての役割を担っているのです。さらに、炭素貯蔵量をマイナスの放出量と考えると、木造住宅建築は大気中の二酸化炭素を減らす計算になります。
1993年の我が国の全住宅に使用されている木材が貯蔵する炭素量は約1億4000万tです。これは我が国の全森林に貯蔵されている炭素量(7億8000万t)の約18%にも及びます。その内訳は、木造住宅が1億2859万t、非木造住宅が1,234万tであり、炭素貯蔵庫としての木造住宅の価値が評価されます。木造住宅群はまさに「都会の森林」なのです。

1ヘクタールの土地(木造住宅35戸分の木材)=3ヘクタールの森林

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