1. 森林伐採と植林についてのお話し

国産材の需要の低下から木の伐採量が減ってきました。すると森は人間の手が加えられなくなり荒れ放題になっていきます。こうした状況が自然災害を引き起こす原因にもなっているのです。

「木材利用」=「森林伐採」=「環境破壊」?

「割り箸などの木材を使用した使い捨て商品は森林破壊を促進し、地球環境を悪化させる」と考えられておりました。しかし、森林というのは放っておくと木が生え過ぎ、結果として森林全体が健全な状態でいられなくなってしまいます。そこで森林を健全な状態に保つために木を伐採する必要があるのです。
また、木はご存知のように光合成をして、二酸化炭素を吸収し、酸素を排出しています。しかし、木自体も呼吸により酸素を吸収し、二酸化炭素を排出しています。若木は二酸化炭素の排出よりも吸収する量が大きいのですが、成長するにつれ吸収する量は減ってきてしまいます。十分に成長した木は伐採し、若い木を植林し育てることで、森林全体の炭酸ガスの吸収能力を高める必要があるのです。

二酸化炭素の吸収量と排出量のイメージ

ですから、森林を伐採するそののみで、すべて自然破壊と決め付けるのではなく、健全な森林を育てるための伐採もあるのだということをご理解下さい。
また、木材の代わりに鉄などを使用すると、その生成過程で木材を使用した場合よりも数倍の炭酸ガスを排出してしまい、地球環境が吸収できるよりも多くの炭酸ガスを発生させてしまうという事実もあるのです。

森林の役割について

1.山崩れを防ぐ

土壌層と基岩層

森林による表層崩壊(深さが2〜3m以内のすべり面が浅い崩壊)と呼ばれる山崩れを防ぐ効果があります。
根の重量は樹木(地上部)重量の約1/3と言われるほど、地中で発達します。この根が表層崩壊の防止に直接関係しています。土壌中に広く、深く伸びた根は、基岩層の亀裂にまで入り込みます。雨が降って地中に水がしみ込むと土壌が重くなり、傾斜が急な場所ほど土壌層と基岩層の境界(すべり面)で滑りやすくなります。
このとき根が基岩層まで達している森林は、根がすべり面をしっかり固定しているので、崩壊が起こりにくくなるのです。


2.洪水を防ぐ

森林は降水を土壌中に多く吸収するため地表流の発生を抑えられます。
しかし、森林におおわれてない土壌では、しみ込む雨の量が少なくなり、その分河川へ流出する地表流が増えてしまいます。 大雨など一度に大量の降雨があると、地表流が河川を増水させ、洪水を招くおそれが出てきます。

雨水のゆくえ

3.土砂の流出を防ぐ

森林が失われた山では、山崩れに加えてもう一つ常にさらされている危険があります。少量の雨や風でも、地表が削りとられてしまうという侵食・土砂の流出です。森が土砂流出を防ぐ役割は次のようなものです。

  1. 雨滴が樹木の葉・枝・幹、地表を覆う草や落ち葉などで緩和されます。また、大部分を地中に浸透させる、スポンジのような役割を果たすため、地表面が削がれにくくなるのです。
  2. 多量の降雨によって地表流が生じた場合でも、樹木や下草、落ち葉が減速させます。
  3. 根がしっかり土をつかんでいるため、土砂の流出を防いでいる。

4.なだれを防ぐ

積雪層の移動を抑える森林

なだれが発生しやすい傾斜地でも、樹木に密に覆われていると、その発生率は低くなります。これは、樹木が積雪層の移動を抑えるからです。ですから、樹高よりも高く積もった積雪層が崩れて発生するような表層なだれを防止することは難しいですが、地表のすぐ上の積雪層から崩れる全層なだれの防止には、効果を発揮します。


間伐の必要性について

「間伐」は生長過程で過密となった森林に対して、本数を減らすために抜き切りをする作業のことです。森林の機能をよりアップさせるためにも重要なことなのです。

間伐

環境から見た間伐の必要性

間伐は森林の環境を……

  1. 林内を明るくして下層植性を回復させ、土壌の流亡を防ぎ、豊かな森林土壌の形生が図られます。
  2. 水源かん養機能を向上させ、良質な水を生み出します。
  3. 多様な下層植生の生育に加え、生息する動物の多様性の向上も図られます。

森林経営から見た間伐の必要性

  1. 幹の直径成長の低下を防ぎ、年輪幅の整った利用価値の高い木材を生産します。 年輪
  2. 曲がり木やあばれ木等を除き、まっすぐで良質な木材を生産します。
  3. 病害虫、風雪害等に対して抵抗力の高い健全な森林となります。

循環型植林について

森林のもっている様々な機能を十分に発揮させるには、適切に手入れすることが必要です。森林の手入れをする担い手達は、伐った木を売ることで収入を得て、それを元手にして苗木を植え、森林の手入れを行っているのです。
このため、もしも私たちが木材を使わなければ、せっかく伐った木が売れなくなりますから、担い手達は収入を得ることができなくなり、森林の手入れもできなくなってしまうのです。
木材を有効利用することにより、「植える→育てる→収穫する」という森林のサイクルがうまく循環し、林業の生産活動も活発になり、森林のもっているさまざまな機能も十分に発揮されるようになるのです。伐ったら、植えて育てること、ちゃんと管理されている森林から生産される木材をちょうどいい量だけ使うことが重要なのです。
しかし、一方で、樹木の生長する早さには限界がありますから、もしも、それを上回るスピードで木を伐っていくと、最後には山に木がなくなってしまうでしょう。 つまり、木材を使わなさすぎてもだめ、使いすぎてもだめ、ということになります。日本の森林は、全体的にみると「使わなさすぎてだめ」な状態になっています。だから、もっと皆さんに木材を使ってもらうよう、呼びかけているのです。 (林野庁ホームーページより)

森林の有効利用のサイクルイメージ

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