3. 住宅ローンのお話し

住宅ローンを借りる際には「いくら借りられるか」を考えがち。「いくらなら返せるのか」の観点から検討を。ここでは「住宅ローンの基礎知識」・「民間金融機関のローン」・「賢い住宅ローンの借り方・返し方」の3つの項目に分けお話いたします。

賢い住宅ローンの借り方・返し方

1.住宅ローンアドバイザーに相談しよう

「利用した住宅ローン決定に際して影響が大きかった媒体等」についてのアンケート結果によると、 ・住宅販売事業者 54.4% ・インターネット 18.4% ・金融機関 14.3% (平成20年第2回 住宅金融支援機構 実態調査より) という調査結果がでています。

利用した住宅ローン決定に際して影響が大きかった媒体等についてのアンケート結果のグラフ

住宅を建設(購入)しようとする人の多くは住宅を建てる(販売する)業者にアドバスを求めているのです。
住宅販売業者の中には、住宅ローンについて中立的な立場でアドバイスする住宅ローンアドバイザー((財)住宅金融普及協会)の資格をもった方がいる場合があります。銀行で相談すると、その銀行の商品のみの説明になってしまい、複数のローンを比較するということができなくなってしまう恐れもあります。
ですから、先ずは住宅ローンアドバイザーに中立的な立場から、どのような住宅ローンが本人のライフスタイルに合っているかの観点からアドバイスを求めるとよいでしょう。

2.使わないクレジットカードは整理しよう

金融機関の借入審査の項目に総返済負担率があります。これは年収に占めるローンの返済金額の割合を言い、上限が決められています。この総返済負担率の中には、車や 教育ローンだけでなくクレジットカード等の残高もプラスされます。
また、クレジットカードにキャッシング枠がついている場合、現在借入がなくとも将来借入をする可能性があるということで、一定額を借入額として総返済負担率にカウントされてしまう場合があります。その結果借入希望額が借りられないケースが出てきます 。

カード所有による借入可能額の変化

キャッシング枠のついたカード1枚につき、おおよそ1万円程度を返済しているとみなされます。

金利3%、借入期間30年、毎月の返済額12万円の場合(総返済負担率35%)、借入可能額2,846万円

キャッシング枠のついたカード2枚持っていたために、借入可能額は2,371万円と、 500万円近く減少してしまうことになるのです。

※但し、住宅ローンの審査は総合的に判断されるため、カードを解約し、総返済負担率をクリアすれば必ず融資が受けられるということではありません。

3.収入合算も検討しよう

申し込み本人だけでは、毎月の返済額の4倍といった収入基準を充たせない場合に、その住宅に住む配偶者や親などの(同居予定者)と収入を合わせることができます。
但し合算できる範囲や条件はフラット35や各金融機関によって違いがありますので、ご注意ください。

<収入合算の要件>
  フラット35の場合 民間融資の場合
要件
  • 申込本人の親、子、配偶者のうち1名のみ
  • 申込時の年齢が70歳未満
  • 申込本人と同居
  • 連帯債務者になれる
  • 原則申込本人の年収の1/2まで同居予定者の年収を合算できます
注意点 同居予定者の収入額の50%以上を超える額を合算する場合、同居予定者にも80歳までの完済という条件がつきます。 収入合算者がパート勤務の場合、収入合算できないこともあります(各金融機関にお問合せ下さい)。

4.二世帯住宅なら親子リレー返済

二世帯住宅などで親子が同居する住宅の場合、「親子リレー返済」が活用できます。申込本人が子供を連帯債務者にしてローンを組む方法で、70歳以上でもローンを申し込むことができます。

<親子リレー返済の要件>
  フラット35の場合 民間融資の場合
要件
  • 申込本人(親)の子または配偶者で
    定期的な収入がある
  • 申込時の年齢が70歳未満
  • 子が連帯債務者になれる
  • 同居は要件ではありません
  • 申込本人(親)の子または配偶者で
    定期的な収入がある
  • 申込時の年齢が70歳未満
  • 子が連帯債務者になれる
  • 同居もしくは将来同居
団体信用生命保険 親か子のいずれか1人が加入。親が加入し、満80歳を迎えた場合は、子が引き継いで加入できる場合がある。 子が加入する場合と、親子2人で加入する場合と、親子のいずれか1人が加入する場合など金融機関によって異なる。

※一部金融機関では取扱っていない場合もありますので金融機関にお問合せ下さい。

5.繰上返済を活用しよう

繰上返済とは、住宅ローンの毎月の返済額とは別に、返済期間中に一定額以上の額(元金部分)をまとめて返済することです。繰上返済をおこなうと、総返済額を軽減できます。

<繰上返済のタイプ>
  期間短縮型 返済額軽減型
特徴 月々の返済額は変えずに、借入期間を短縮する方法。 借入期間は変えずに、月々の返済額を少なくする方法
メリット
  • 短縮した期間分、返済が早く終わる
  • 返済額軽減型と比べて支払い金利の総額を減らすことができる
  • 返済が家計を圧迫してきた場合、返済額を減らすことで負担減
デメリット
  • 多くの金融機関では短縮した期間を再度延長できない。
  • 期間短縮型と比べて総返済額の軽減効果が少ない
イメージ図 期間短縮型 返済額軽減型
繰上返済のポイント
  • 早く行えば行うほど効果は高い
  • 固定金利期間選択型を利用している場合は、金利見直しの時期におこなう
    金利が上昇局面なら、「返済額軽減型」。金利が安定局面なら、「期間短縮型」。
  • 事務手数料は金融機関によって異なり、数千円〜5万円程度
  • 繰上返済できる最低金額も金融機関によって異なり50万円〜100万円

6.賢い年代別資金計画

それぞれの年代における資金計画についてみてみましょう。

新婚〜ディンクス時代  〜共働きのうちにガンガン返す〜

資金計画のコツは短期返済。収入合算もして多めに返しておきましょう。短めの期間のローンと長めの期間のローンの2つを組むのもよいでしょう。

お勧めの金利タイプ

全期間固定金利型+固定金利期間選択型

子供が小学生以下の年代  〜余裕ができたら繰り上げ返済〜

子供が小学生ぐらいまでは、さほど教育費はかからないので、その間に住宅ローンをできるだけ返しましょう。余ったお金は繰り上げ返済にまわすのが得策。

お勧めの金利タイプ

全期間固定金利型+固定金利期間選択型

子供が中・高学生の年代 〜ピークに備えゆとりのある計画を〜

子供の成長とともに教育費の負担はどんどん増えていきます。この時期に住宅を取得する場合、頭金を充分に準備することが欠かせません。ローンの返済率は20%以下、返済期間は長期で。

お勧めの金利タイプ

全期間固定金利型

子供が独立する年代  〜長期ローンは無理。老後のことも考えて〜

教育費用を住宅ローンの返済と老後の資金づくりにシフトできます。40歳代後半以降に住宅ローンを組む人は、返済期間を慎重に。
子供と同居の場合、親子リレーローンを検討するのもよいでしょう。

お勧めの金利タイプ

固定金利期間選択型もしくは変動金利型

7.金利大きく下がってきたら借換も

高金利のときに組んだローンを返済して新たに低金利の住宅ローンを組むことを借換といいます。

借換してメリットのある人は?

借入残高が1,000万円以上

借入金残高が多いほど支払う利息も多いため、効果は大

返済期間は10年以上

完済時の年齢や生活設計を見直して早めの借換が大切

ローン金利の差が1%以上

1%より小さい金利差では、諸経費を考えるとマイナスの場合も

上記内容のすべてに当てはまれば、借換して得する可能性大
返済期間を同じにすれば、毎月の返済額を軽減できる
毎月の返済額を同じにすれば、借入期間を短縮できる

注意点

諸費用が掛かります

借換時には、新たに保証料、登記費用、抵当権設定費用などの費用がかかります

借入年数を長くは不可

新たなローンの借入期間は、借換前のローンの残年数と同じか短くしなければなりません

金利上昇に注意

変動金利や固定金利期間選択型に借り換えた場合、今後の金利上昇によっては、総返済額が増えてしまう可能性有り

借換は早く実行するほど効果が高くなります

住宅ローンの基礎知識民間金融機関のローン|賢い住宅ローンの借り方・返し方

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