1. 家を建てるのに必要なお金

住宅を建築・購入する際には様々な費用がかかります。その中身についてみていきましょう。

新築住宅に必要な費用

資金計画を立てる際に、注意しておかなければならないのが、新築住宅を購入するのに、全体でいくらかかるかということを、把握することです。
家作りにかかる費用は、本体工事費(木工事・設備工事費など)、別途工事費(地盤改良、外構工事費、給排水工事など)、工事費以外の諸費用(保険、税金、引越し費用など)に大きく分けることができます。
広告などで見る「建築費坪●●万円」という数字は、本体工事費から割り出したものが多く、実際にこの値段で家を建てることはできません。
家づくりにかかる総費用を建築工事費からみると、一般的に建築工事費プラス20%程度の金額が必要になると考えてください。自己資金の金額を考える場合は建築費から割り出すのではなく、総費用を考えて総費用の30%程度を目標に用意するといいと思われます。

住宅購入にかかる費用
内訳 詳細 総費用に占める割合
本体工事費 木工事・設備工事費など 70〜80%
別途工事費 地盤改良・給排水工事・外構工事など 15〜20%
諸費用 登記費用・税金・保険料・引越し費など 5〜10%

そのほか、家電製品や家具、カーテンなども、新しい物に買い替えると更に費用が発生します。

本体工事

一般的な建築本体工事(工事請負契約内の項目)の内容ついてご説明します。建物の構造、仕上材などで項目も変わりますが、その代表的なものをあげてみました。

本体工事費の内訳

仮設工事費
工事のための足場や工事用の電気・水道料金。仮設トイレ費、現場の片付けや養生費用、廃材処分費、など工事を円滑に進めるための費用。
基礎工事費
掘削や割栗石の突固め、鉄筋組立、型枠、コンクリート打ちなど建物の基礎部分を施工するための費用。また敷地地盤に問題があれば改良工事費、 杭打ち工事費も発生します。(通常は別途工事)
防腐・防蟻工事費
GL+1mまでの部分の防腐・防蟻工事、建物周辺の敷地の防虫工事の費用 。
木工事費
土台、柱、梁などの軸組材や胴縁、野地板、合板などの下地材、プレカットなど加工費、大工手間など。和室で使用される敷居、鴨居、長押や金物や床束も含まれます。
屋根工事費
屋根下地のルーフィングや瓦などの屋根仕上にかかる費用。軒樋、谷樋などの水切り、棟換気などの費用。
防水工事費
バルコニーの防水工事(FRP防水工事)、浴室(湿式)などの防水などの工事費 。
金属建具工事費
金属で出来たアルミサッシやドアなどに関する工事費。基本的にガラス・網戸まで含みます。その他、雨戸シャッターや面格子・飾り格子 。
木製建具工事費
室内に使用する木で出来た窓やドア、障子、襖などに関する工事費 。
建材費
カラーフロア、縁甲板、巾木、廻り縁、額縁などの仕上材、化粧合板、石膏ボード、断熱材などの費用 。
左官工事費
漆喰、モルタル塗り、珪藻土塗り等の費用 。
タイル・石工事費
玄関土間や外壁などに使用されるタイルや石などの費用 。
塗装工事費
内外部の吹付、塗装工事費 。
外装工事費
サイディングなどを使った外壁・軒裏工事など 。
内装工事費
フローリング、クロス貼、たたみなど床、壁、天井の内装仕上材費 。
電気工事費
電気引き込み、電灯コンセント、TV、TEL配管等 。
空調設備工事費
換気扇、配管、取付工事 。
給排水衛生設備工事費
洗面、浴室、トイレ、キッチンなどの設備関係費 。
運搬費・諸経費
資材などの運搬費、現場経費、保険等 。
雑工事費
見積書の各項目いずれにも入らない工事、点検口、床下収納、手すり、アクセサリー商品等 。

別途工事

建築本体工事費に含まない費用で、不確定要素の項目や建築主の要望により対応する費用です。

別途工事費の内訳

解体・盛土工事費
既存の家を取壊したり、低地を埋め立て土を盛ったりする費用 。
地質調査費
敷地の地質の種類や地盤の構造、耐力を調べるための費用 。
地盤補強工事費
軟弱な地盤の場合は、地盤補強工事が必要です。地盤調査によって地盤補強が必要か、また 必要な場合の補強方法をどうするか検討した上で見積されます。
給配水管引込工事費
給排水管を引込むための費用。その敷地に初めてメーターを設置する場合、水道局に水道加入金を納めるケースがあります 。
外構・植樹工事費
造園、車庫、門塀などや、植栽のための費用 。
冷暖房工事費
エアコンや床暖房などを設置するための費用 。
照明器具工事費
趣味性の高い照明器具などは本体工事に含めないことがあります 。
カーテン等内装費
カーテン及びカーテンレールやブラインドは基本的に別途工事扱いです 。
セキュリティー費
防犯、防火などを目的とする各種安全対策機器を設置するための費用 。
その他
テレビアンテナ工事費、地中内埋設物撤去・道路後退による側溝整備工事など 。

以上が工事費の具体的な中身ですが、分類の仕方は施工業者によって様々です。

諸経費・税金

住まいづくりは工事費の他にもさまざまな費用がかかります。

消費税
工事費の5% 。
設計・管理料
初期段階からの計画設計から詳細設計(実施設計)、仕様確定、工事監理費用などの設計費用。工事費の10%前後です 。
建築確認申請費
確認申請時、中間や工事完了時の検査申請手数料。(延面積による)
祭事費
地鎮祭や棟上式又は竣工式などの費用 。
建物登記費用
建物の登記(滅失、表示、所有権保存)にかかる費用 。
ローン関連費用
収入印紙、手数料、抵当権設定登記費用、保証料、火災保険料など。
税金
登録免許税(登記の申請時)、 契約書印紙税(工事費1千万円超〜5千万円以下で印紙税1.5万円)、 不動産取得税、都市計画税、固定資産税など 。
その他
仮住まい・荷物保管費用、引越し費用 。

坪単価について

よく「坪単価いくら」とか「坪あたりいくら掛かった」とか耳にしますよね。これは建物の建築費用を延べ床面積を坪換算して(1坪=約3.3u 坪=u×0.3025)割った金額です。30坪の家が1,500万円掛かったとすると、1,500÷30で坪あたり50万円となる訳です。
最近のローコスト住宅では坪単価25万前後を謳い文句に広告をしている会社もありますが、坪単価とはいったい何をさすのでしょうか。本来、坪単価とは本体工事と別途工事までを示すのが一般的なのですが、何処までの費用を算入するかという決まりもなく、業者や言う人によってまちまちなのです

坪単価における注意点

1.どこまで坪単価にふくまれているか

広告に掲載される坪単価には、建物だけしか含まれていません。施主自身が電話会社に手配しなければならない、電話の引込工事や、施主自身が趣味のガーデニングとしてすることもできる外構工事などが含まれないのは当然です。
それ以外にも、敷地や地域の状況により変化する要素は坪単価から除外されます。

一般的に坪単価にふくまれないもの

  1. 冷暖房設備(電源及び室外機用スリーブ孔は含む)
  2. 電話機および通線工事(通線は基本的に電話会社がします)
  3. CATV、インターネット、LAN等特殊設備
  4. 冷蔵庫などの家電製品や置き家具
  5. カーテン・カーテンレール・ブラインドなど室内装飾品
  6. テラス・バルコニー・ウッドデッキ・濡縁などエクステリア類
  7. 植栽・生け垣・造園工事
  8. 玄関へのアプローチ部分の工事や門扉フェンス、外部の水まわりや照明など屋外電気工事を含む外構工事
  9. 地中障害物撤去(基礎を施工する際に出土する大きな岩石の除去等)
  10. 地盤調査およびその結果必要となった場合の地盤改良工事
  11. 給水引込み工事及び、引込分担金、下水道負担金
  12. セットバックが発生する場合の道路後退工事
  13. その他見積書に記載のないもの

また、一般的なハウスメーカーや工務店も、初期の見積もりは、概算の見積である場合が多いのですが、それでも見積にはどこまでが含まれているのかハッキリさせておくことが必要です。

2.メーターモジュールの秘密

住宅には、91cmを単位とする尺モジュールと、100cmを単位とするメーターモジュールがあります。最も一般的に使われているのは尺モジュールです。しかし、ローコスト系のハウスメーカーは、必ずメーターモジュールを採用しています。
それは同じ6畳でも、メーターモジュールの方が1.2倍も広くなります。しかし、窓や玄関、部屋のドアなどは、床面積が増えても、数は一緒です。同じ間取りの場合、尺モジュールよりメーターモジュールの方が1.2倍、床面積が広い分、坪単価を下げられます。

尺モジュール6畳10u、メーターモジュール6畳12u

3.工事面積のトリック

坪単価は、延床面積で工事金額を割って算出するモノですが、工事面積と称して、延床面積には含まれない部分まで床面積にカウントしています。
例えば、2階部分に床が無い吹抜けも、床面積にカウントします。もし、ロフトや小屋裏収納などを標準装備とすれば、そこも床面積にカウントします。ベランダや玄関ポーチも標準装備とすれば、床面積にカウントします。そうすることによって、分母である延床面積を大きくし坪単価を安く見せかけるのです。

(例) 延床面積120u 工事面積140u 建物本体価格2,000万円の場合

延床面積で計算 2,000万 ÷ (120u×0.3025) ≒ 55万円/坪

工事面積で計算 2,000万 ÷ (140u×0.3025) ≒ 47万円/坪

4.1坪=3.3u?

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一般的に1u≒0.3025坪あるいは1坪≒3.3058uとして計算します。
ところが、1坪=3.3uとして計算されることが、しばしばあります。専門家からすれば、円周率を3で計算するようなものです。1坪=3.3uで計算する業者は、専門性を疑った方が良いでしょう。他の大切なことも知らない可能性があります。

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